3万匹を放出。遺伝子組み換えした蛾が農産物を守る|ギズモード・ジャパン

夜の農薬散布光景。14mの腕からナイアガラのように農薬を掛けます。けっこう大変。




コナガは白菜はもちろんアブラナ科全体にとって重要な害虫です。体は小さいのですが農薬に対して耐性が強く、白菜農家のあさひや農場でももっとも被害の多い害虫です。
有機時代は「青虫」の一種くらいにしか認識せず、多くの青虫と同じように「虫もよらないように健全に育てる」か「防虫ネット」で防いでいました。
「虫もよらないように健全に育てる」方法が王道なのですが、それでもやはり多少の虫食いは付くのでとても市場出荷には向きません。「御理解いただけるお客さん」の存在があって初めて成り立つ手法です。
お客さんに理解を求めない市場出荷では農薬を使って防除します。
夏の高原白菜栽培のためにあさひや農場が現在用意してるコナガ用農薬(他の青虫にも対応)は10種類以上。他の農薬と併せて10回以上農薬を散布します。
「そんなに沢山の農薬をそんなに撒くの!」と驚かれるかもしれませんが、1発の毒性の強い農薬を撒くよりも、毒性が弱くてもコナガの様々な弱点を色んな角度から何度も突くほうが、安全で効果的だからです(農薬コストはもちろん余計に掛かります)、魔法でいうなら自分にも被害のあるメガンテ1発よりもギラ、メラ、ヒャド、マヌーサ、メダパニ、ニフラム、バギ、イオを繰り返すようなものでしょうか?MPとターンはこっちのほうがかかります。
そんな風に農薬で防除してると、たぶんコナガさえいなければ農薬を半減できるのではないかと思います。モンシロチョウとか白菜の害虫っぽいイメージがありますが、農薬には弱いのです。
最近も白菜農家の話題は「祭りが始まった」(コナガが大発生してもう無理ぽ)とかです。一度コナガが取り付くと畑の1枚とか平気で壊滅します。
と前置きは長くなりましたが、
そこで紹介リンク先にある
遺伝子組み換えコナガによる不妊虫放飼作戦の一種です。子孫を残せないコナガを大量に放つことでこれと交尾したコナガも子孫を残せないのでコナガの密度を圧倒的に減らせるというものです。特定の地域や島嶼部で蚊や害虫を減らすのに使われてきた手法です。これまでは不妊虫を放射線などを利用して生産してきましたが今回は遺伝子組み換えでコナガの不妊虫を作っています。

遺伝子組換え生物で懸念されることは、生物であるがゆえに変異したり、増殖する可能性のあることです。
ここが農薬が分解され希釈されていくのとは違うところです。

それでも、今後もこういった防除方法は増えていくと思います。
考えられる選択肢は3つ
  • 農薬を撒き続ける。
  • 遺伝子組換えで作物を強化する(殺虫成分入りの作物など)
  • 遺伝子組換えで害虫を劣化する(不妊虫放飼など)
またはこれらの組み合わせ。
他にもドローンによる害虫防御なども出てくるでしょう。
そんな方法を選択して人類はこれからも食べ続けるのだと思います。
残念ながら有機農業的手法、「栽培技術で虫も寄らない健全な野菜を作る」や「ネットなどで物理的に守る」などでは人類は養えません。
これらは有機野菜とそのお客さんのために残される方法になるでしょう。

私個人としては、人類がこのまま緩慢な自殺に向かうよりは、
遺伝子組み換えを含めあらゆる科学的手段を用いていってほしいと思います。

3万匹を放出。遺伝子組み換えした蛾が農産物を守る|ギズモード・ジャパン