第32回長野県有機農業研究会大会のお知らせ
~農業から原発まで大地からその存在を考える~
農業を支える「母なる大地」のことを知ろう!
2012年2月4日(土)13:00~5日(日)12:00まで
場所: 小川村公民館 長野県上水内郡小川村大字高府8695 TEL 026-269-2077
地図(http://www.shinshu-liveon.jp/facility/node_49156)
講演会: 2月4日(土)13:00~16:30
講師: 河本和朗さん(大鹿村中央構造線博物館学芸員)
演題「地球の時間から見た原子力と私たちを載せている大地の営み」
河本和朗さんは、地球と人間の関係を1970年代から考えてきたそうです。自然農法の農園をたずねたり、ネイティブ・アメリカンに学んだりした経験から、自然と人間への畏敬の念を失い損得でしか考えなくなった日本は危機的だと感じています。アメリカから見ると、激しい変動の場である日本列島に並ぶ原発は国を滅ぼすことがよく分かる。一方では、大陸の乾燥地帯を見て地球の本体は岩石であることや、日本列島では隆起する山脈が雲を呼んで豊かな恵みを与えていることも実感したそうです。それはネイティブ・アメリカンの「石は地球の長老」という教えに通じます。
1984年から大鹿村に住まわれています。日本列島の歴史を学ぼうと飯田市美術博物館の松島信幸先生の地質講座に通っていたところ、大鹿村に地質の博物館ができることになり、不思議な縁で“変動帯日本列島”の姿を伝える仕事をするようになりました。また浜岡原発裁判の住民側のお手伝いもされたそうです。原発、東北沖地震のほか日本列島の大地のなりたちも話していただきます。
3・11以来、世の中の価値観が大きく変わろうとしていますが、その行き先が見えずに右往左往しているように思います。そんなとき、地質学の空間的・時間的スケールの視点をもつことは、今後の人間が進むべき方向に大きなヒントを与えてくれます。一方、科学的な視点をもつことはぜひ必要なことですが、盲信するといろいろな過ちを犯します。「母なる大地」を畏敬し自然の恵みに感謝する感性とのバランス感覚が大事であり、そのようなお話と議論ができればと考えています。
どなたでも、参加できます。
【主催:長野県有機農業研究会】
講演会のみ: 1,000円(小中学生は無料)
懇親会出席: 5,000円(講演会含)
(小学生まで 3,000円)
宿泊全日程: 10,000円
(小学生まで 7,000円)
(懇親会・宿泊は小川村星と緑のロマン館)
※星と緑のロマン館 地図(http://www.shinshu-liveon.jp/www/facility/node_42257)
タイムスケジュール
1日目:2月4日(土) 2日目:2月5日(日)
12:30 受付開始 7:00 朝食(星と緑のロマン館)
13:00 開会・挨拶 小川村公民館へ移動
13:15 河本和朗さん講演会 9:00 総会
「地球時間から見た原子力と 11:30 日本有機農業研究会地区会
私たちを載せている大地の営み」 12:00 解散(大会は総会終了後解散)
15:15 休 憩
15:30 質疑応答・意見交換 *講演会・総会の会場(小川村公民館)と
16:30 終了 懇親会場・宿泊所(星と緑のロマン館)は、
16:35 地区会 車で約15分の距離です。
17:00 懇親会場へ移動・フリータイム
18:30 夕食懇親会(星と緑のロマン館)
★お車でお越しでない方は、申し込みの際に、
必ずその旨をお知らせください。
講師プロフィール
河本和朗(かわもと かずろう)さん
1951年、東京、大森に生まれる。大森貝塚は、われわれ子供が掘りつくして貝殻一枚残っていない。両親は山陰出身。育った場所は池上。日蓮上人が亡くなった場所から250m。お寺の裏山で崖のぼりをして育つ(いま思えば下末吉面の段丘崖だったらしい)。18~19才ごろは、1ヶ月に1回は山登りに行く。おもな行き先は八ヶ岳と南アルプス北部。1971年北海道大学理類入学。しかし進路も決めぬまま中退。1976年アメリカへ渡る。ウィスコンシン、カリフォルニア、コロラドに住む。北アメリカ先住民に会い、「石は地球の長老」であることを学ぶ。1981年、日本に戻る。1984年から大鹿村に住む。1990年ごろから松島信幸先生の地質講座に通う。1992年から松島先生の助手として大鹿村中央構造線博物館の標本集めや準備作業に従事。1993年8月の開館から常駐職員。2001年3月放送大学卒業。卒業研究は早稲田大学高木先生の指導を受ける。2002年学芸員資格取得。2003年、大鹿村中央構造線博物館が国の博物館法にもとづく登録博物館になる。日本地質学会、日本活断層学会、日本地震学会、地学団体研究会会員。