作業距離を縮める(そして腰痛を駆逐する)
無駄な動作をなくす。
仕事を効率的に行うだけでなく、腰の負担を軽減するのにも大事なことです。
特に重量物の移動距離、そして距離よりも重量物の上げ下ろし動作の回数を減らす。
作業をする時は常に、そういう工夫、動線づくり、作業環境作りをまず考えてから取り組みます。
毎日決まった工場のラインの仕事なら1度セッティングすれば済みますが。
あさひや農場でも箱作り作業ラインやブロッコリーなど野菜調整ライン、
育苗関係は腰に負担をかけない作業姿勢を維持するようにしてありますが、
畑を移動しながらの作業や人参洗浄のように1年に数回しかしない仕事ではその場その場で作業環境を整えていかねばなりません。
仕事をしてて「この作業姿勢はキツイな」とか「無駄が多いな(経営者視線では人件費に見合わないな)」と感じたら、
そこに現場改善の必要があります。
例:人参洗い作業の改善点
写真は人参洗い機から洗い終わった人参が排出されるのをコンテナが受けているところです。
この人参洗い器は2コンテナ分の人参を一度に洗えるので、排出された人参で1コンテナが満杯になったら新しいコンテナに変えねばなりませんでした。
人参が満杯になって排出口からどかしたコンテナは水を切るために1度パレットの上に置きます。
このパレットには次に洗う人参のコンテナも積んであり、1m離れた場所においてあります。
1m離れたパレットに洗った人参を移しては、これから洗う人参をそこから洗い機に移動します。
この作業を30コンテナ分繰り返します。「なんか無駄な動きが多いな・・」と感じつつ。
今回の答えはやってしまえば答えは簡単です。
無駄な作業撲滅の原則その1の「距離を縮める」です。
なぜか1m離して置いてたパレットを人参排出口に直付け。
パレットの上はコンテナも滑るので、排出された人参でいっぱいになったコンテナは滑らし、次のコンテナのために場所を空けるのも容易です。
なおかついままで運んできた次に投入する人参のコンテナも人参洗い機の真横に。
たったこれだけの事で20kgのコンテナの上げ下ろしが1回づつ合計60回減り、1mとはいえ無駄な移動距離も合計60m減る。
工程数で言えばコンテナを持っていって持ってくるという2工程が減る。
蓋を開ければ大したことではないけど、こんなことの積み重ねが無駄をなくし、腰痛を撲滅していく道です。
「距離を縮める」は基本中の基本です。が、慣れてないと意外と気づかないことも多いようです。
アルバイトに来られる方でも、白菜を詰めたり運んだりするときに、
「あと30センチ、箱を近づければ楽なのに」
「秤をもっと近くに置けばいいのに」とアドバイスしたくなる方がいます。
そういう人は1個3kgほどの白菜を持って何度も立ったり座ったり、歩き回って重さを量ったり箱を詰めることになります。
逆にすぐ手が伸びる範囲に図りも箱も置いて、殆ど動かずに箱を詰めていく方もいます。
この二人の間では疲労度も腰への負担も明らかに違うし、
何より作業スピードが違うので後者であってくれると嬉しいです。