「持たざる者」の息子、隙間を耕す(トラクター仕事始め)
ずいぶん暖かくなり、畑も乾いてきました。
まだまだ本格的に耕すには深度が湿気っていますが、
浅く耕したり、表面を削ったりするくらいならできます。
ここで焦って深く耕すと土を練ってしまい、秋まで畑がゴロゴロ土になります。
冬の間はトラクターは倉庫にしまっていたり、集落内除雪用の排土板を付けていましたが、
昨日今日から堆肥を運ぶバケットをつけたり、ロータリーを換装したりと稼動状態に入っています。
今日は冬の間に借りることが決まった遊休荒廃地をハンマーナイフモア(フレールモア)という
ちょっと殴られたら痛そうな機械で一面に茂った枯れ草だらけの畑を綺麗にしてきました。
今度は借りる畑は三角形の実質18aの農地です。
規模拡大を目指す白菜レタス農家としては小さな畑ですが、あさひや農場では8番目くらいの広さの畑になります。
集落の反対側の畑で、インターチェンジ建設で壊滅したあさひや農場の昔の農地群の真ん中にの小高い尾根にあります。
眺めよく、尾根なので石も少なく、水はけ風通しも良さそう。
写真をよく観てもらうと高速道路建設で一部削られています。
畑の反対は高速道路道路建設中、この道路の下にも昔のあさひやの畑が
農地は先祖伝来のだから云々・・・ と言うのは新参者のあさひや農場にはありません。
高速道路予定地になれば大金が入るので兼業農家の方は喜んで農地を手放します。
その際、小作人である我々には拒否権もなく、
国から農地を補償してもらうとか畑を紹介してもらうとかはありません。
黙って出ていくだけ。
もともとは都会の人間なんて田舎で農地なんか分けてもらえなかった農家の次男三男のたまり場です。
私の父は長野の11人兄弟の九番目です。つまり都会に出るしか無い「持たざる者」でした。
私はその息子なので「生まれながらの土地に固執できる特権」というのがいまいちピンときません。
と言うか羨ましい。