鉄と鯨

スーパーでは必ずお魚コーナーをさっと一瞥します。
見間違えることのない「漆黒の朱」があれば即買いです。
鯨です。
長野のスーパーでも年に数回入荷されます。

長時間潜航を可能とする赤血球の赤とドラゴンフルーツのピンク

哺乳類による長時間潜航を可能にする最高にヘモグロビンな赤はマグロのアラの血合い以上に黒いです。
鯨は体内にある大量の赤血球に酸素を確保することで長時間の潜航を可能としているのです。
だからエラ呼吸してる魚よりも赤いのです。
魚でも口を閉じて高速で移動するマグロやカツオとかもやはり赤身ですよね。
酸素を取り出すエラも赤いし、深海に生息するチューブワームとかも呼吸器官は赤いです。

酸素を運ぶ赤血球は鉄をコアとします。
酸素と結びつく鉄は赤くなるのでしょうか、サビも赤ですし、血も赤いです。
鉄は酸素を司る元素です。
植物においては葉緑素を作る際に必要な元素ですし、呼吸時に酸素を運ぶ元素でもあります。
アントシアニンなどのポリフェノールも鉄がコアになっています。
光合成を行う植物も根っこは昼も夜も呼吸します。
酸素が少ない地中奥深くに酸素を届けるのも鉄です。
ですから鉄が不足すると根は地中深く伸びません。
鉄が少ない畑では雑草のアカザは白く、軽く抜けます。

鉄は恒星内で作られる最も重い元素です。だからこそ金属類の中で最も多く、普通の土壌にあります。
超新星爆発で作られるホウ素より豊富です。
ぱっくり割れと超新星爆発被害に思いを馳せてホウ素を撒く – あさひや農場

田んぼでは鉄は毎年流水とともに補充されるので十分にあります。
あさひや農場でも田んぼを借りた当時は鉄過剰と言ってもいいほど鉄は十分にありました。
それでも田んぼを畑として使えば用水からの鉄の流入は止まり、2~3年もすれば鉄は不足状態になります。
そこで肥料として硫酸鉄を土壌分析に応じて毎年5~10kgほど投入します。
普通に栽培してればそれくらい吸われます。
硫酸鉄は気持ち悪い明るい水色をしています。
あさひや農場が使ってるのはジャパンバイオファーム社の
アイアン(鉄)パワー(輸 第11919号)です。
素手で触るとヒリヒリします。
有機栽培時代は「こんなヒリヒリするの畑に撒くなんて!」とか感覚的に思っていましたが、
今は慣行栽培なので安心して撒いています。


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