2021の有機栽培と有機で売らない理由について
有機だけど有機じゃないレタスの種播き
例年より5日ほど遅いですが、種播き開始しました。
まずはレタスから。今年のレタスは有機栽培オンリーで行きます。
ですので苗土も有機のもの。
有機栽培ですがJAS有機認証は取りません。したがって有機栽培としての販売はできませんし、しません。
普通に慣行栽培レタスとして出荷します。
無農薬レタスを農薬レタスだと思って食べる消費者の顔を思い浮かべて「なにも知らずに。。ククク」とほくそ笑むことにします。
なぜ有機で作るかと言うと、一部の住宅地に囲まれてる畑で農薬撒くのが嫌だからです。農村なので苦情はありませんが、撒く方も落ち着きません。
そして、農場にバイトに来る一定数の方があさひや農場の有機面に興味を持って来るのでそれに答えたいからです。
単純に価格で言えば魅力は低いです。販売に手間を掛けずに3反ほどの有機レタスを捌ければいいかなと。
JAS有機取らない理由
なぜJAS有機認証で作らないかと言うと、売り先がないからです。
正確に言えば売るルートがないから。
今は有機栽培技術も格段に発展したため各有機農家の生産性は格段に向上しました、結果、有機市場は供給過剰状態です。
流通業者さんが生産者に流す「過不足品リスト」などを見ても普通に有機で作れる時期の作型は全部過剰。
私の生産体制も農協出荷を主軸においてるので、そこに近いくらい納品プロセスが少ない出荷先じゃないと対応もできません。
レタスを売るのに数箱単位の小口出荷だと捌ききれないのです。
量をさばくのに一番は良いのは市場に出すことです。佐久浅間農協自体はJAS有機レタスに取り組んでるのですが、私の出す農協予冷庫がJAS有機出荷に対応してないので当面は無理。
なので、取引のある業者さんに「美味しいレタス」で取り扱ってもらいます。味に関しては例年定評はあるし、無農薬であっても慣行並みの外見品質は維持できてるので、業者さんからすればそれで十分で、そこクリアできてればJAS有機シールはオマケみたいなもの。
そんな状況なのでJAS有機を今年取ってもコストと手間がかかるだけでメリットがないのです。
とりあえず今年は裏有機栽培で実績を作りつつ農地の「転換期間」を稼いでいきます。
他、人参・ジャガイモを規模拡大して農薬化学肥料不使用で今まで通り栽培。
有機栽培も慣行栽培も手段であって目的ではありません。
だからその時の状況でベストをチョイスする。
そして有機栽培はただの技術。
技術だけではものは動かせません。
有機農産物が慣行農産物と同じくらいにストレスフリーに物流に乗り市場を流れ消費者に届ける日が来るまでは
まだまだ時間が必要なようです。